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HDDの容量認識法の違い


[Q]カタログに容量が15GBと書かれているハードディスクを購入したのですが、Windows 98上で確認すると、13.9GBと認識されています。このHDDは本当に15GBの容量を持っているのでしょうか?

(花田 亮さん)
[A]

 多くの方がご存じのように、1,000m(メートル)と1km(キロメートル)とは、同じ距離を表わしています。また、電気抵抗を表わす単位としてΩ(オーム)というものがありますが、1,000Ωになると普通は1kΩ(キロオーム)と呼び、さらに1,000,000Ωは1MΩ(メガオーム)と呼びます。このように、k(キロ)やM(メガ)といった記号は、桁数の多い数字を簡略化し、数字を理解しやすくする働きをします。kやMはそれぞれ10の3乗、10の6乗を表わす記号というわけです。そして、このkやM、m、A(アンペア)などの意味は国際単位系(SI)に定められており、世界の多くの国で採用されています。

 大量のデータを扱うコンピュータの世界でも、こうした表現方法があると非常に便利ですが、コンピュータの世界では2進数を基本としています。そのため、10進数を基本とするよりも、2進数を前提としてこうした記号を決めたほうがプログラムを作成する場合などにはより便利です。そこで10進数での1,000にもっとも近くて、しかも2の累乗となる値である1,024(2の10乗)を「K」として表現する方法がよく使われます。10進数の「k」(キロ)が小文字であるのに対し、こちらは大文字で表現し、読み方もキロと区別するために「ケー」と読むことがあります。たとえば1KBは「いちケーバイト」と読み、1,024byteを示す、というわけです。

 

15GBの容量を持つIBM DPTA-351500(上)とそのプロパティ(下)。ドライブに貼られたシールには15GBと表記されているが、Windows上では13.9GBと表示されている

 コンピュータの世界では、このKより上の桁についても、同様の考え方を前提としています。すなわち、1,024K(1,048,576) =1Mというように、Mという記号を用い、さらにMの上は1,024M(107,3741,824) =1Gという具合に、Gという記号を用います。MとGはそれぞれ10進数と同じ読み方を使い「メガ」、「ギガ」と読みます。つまりk(キロ)とK(ケー)は区別できても、M(メガ)とG(ギガ)に関しては区別を付けることはできません。ここでは両者の区別をするため便宜的にkMG方式と、KMG方式と呼ぶことにしましょう。

 

 さて、KMG方式を使っていると、やや困った問題が生じることがあります。たとえばKMG方式で135MBというサイズのファイルがあったとします。これは実際には「135×1,024×1,024=141,557,760」byteとなりますが、世間に広く普及しているkMG方式だけを知る人には、135MB=「135×1,000×1,000=135,000,000」byteと解釈されかねません。コンピュータに都合よく単位を決めてしまったために、多くの人にとっては理解しづらい単位になってしまったのです。

 こうした問題もあって、ハードディスクメーカーでは容量表示にkMG方式を使うようになりました。つまりディスク容量を示す際には1MB=1,000,000byte、1GB=1,000,000,000byteである、と決めたわけです。このように単位を変更することで、正確な容量が多くの人にも直感的に伝わるようになりました。

 これに対しWindowsでは、ディスク容量やファイル容量には、常にKMG方式を用います。結果として、同じディスクの容量を示していながら、ハードディスクメーカーが示す数字と、Windowsの表示とが異なるという事態が生じるのです。ご質問にある15GBのハードディスクというのは、kMG方式にもとづいた表記ですから、実際には15,000,000,000byte、これをKMG方式で表すと15,000,000,000÷1,024÷1,024÷1,024≒13.96、つまり約13.9GBとなるわけです。この場合「15GB」と「13.9GB」はいずれもベースにしている単位が異なるだけで、同じ容量を表わしていることに違いはありません。

(天野 司)
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